赤面する場所
「赤面する場面」や「赤面しやすい相手」のページで赤面しやすいさまざまな状況をご紹介しましたが、相手や場面だけではなく、「場所」にも赤面が関連することがあるので説明します。
以前私のクライアントに次のような方がいました。
Jさん、20代のOL。
彼女はいつもお昼時になると仲の良い同僚と会社の食堂でランチをしていました。
しかしある日のこと、そのランチの場で「密かに社内恋愛している彼氏」の話題になったのです。そこで彼女の顔が真っ赤になってしまったのです。
そしてそれを友人に冷やかされました。
次の日、また彼の話になりました。
そこである同僚がJさんにこう言ったのです。
「○○さんがこの間あなたと彼が一緒にいるところを目撃したって言ってたよ!付き合ってるの??」
その途端Jさんの顔は真っ赤、冷や汗もダラダラ出てきました。
彼とは偶然会ったのだとその場は何とかごまかしましたが、それからは周りのみんなが彼との関係を知っているのでは?と言う不安が襲ってきたのです。
そして彼女に異変が起こり始めました。
それはどんな話題でもランチになると赤面するようになってしまったのです。
しかも、ランチ以外でも食堂に行くだけでドキドキして顔が火照ってくるようにもなってしまったのです。
通常ですと赤面する場面や相手が引き金となって赤面症を引き起こしますが、このJさんのように場所と赤面がリンクしてしまうこともあるのです。
なぜ赤面と場所が結合してしまうのか?
ではどうしてこのような現象が起きてしまうのでしょうか?
それには理由があります。
赤面とリンクしてしまったその場所で、「強烈な体験」をしたからなのです。
言うなれば、「場所」=「赤面」と脳が関連付けてしまったのです。
こういったことはよくあることです。
例えば、
- 会議室に行くだけでドキドキして赤面してしまう
- 美容院に行くだけで赤面してしまう
他にも
- 昔嫌なことがあった場所に行くと、当時の嫌な気持ちが甦る
- 歯医者で痛い経験をしたので歯医者の前を通るだけでも嫌な気持ちになる
といった赤面以外でも起きる現象なのです。
場所以外でも、
- 失恋した時に聞いていた曲を聞くと切なくなる
- 好きな曲を聴いただけでテンションが上がる
というのも、曲と感情が関連付けられた証拠なのです。
ですから何らかの強烈な体験をしてしまうと、そのときにいた場所や、視覚情報、聴覚情報などが関連付けられて、まるでパブロフの犬がベルの音を聞くだけでよだれを垂らすように、反射的に身体的反応が出てしまうのです。
では一度出来上がった関連付けは取り除くことが出来ないのでしょうか?
いいえ、出来ます。
しっかりとした方法さえ実践すれば、誰にでも取り除くことができるのです。